部署別の業務図

見積のAI活用|下書き・確認・送信を分ける業務図

電材・電線卸の見積業務を、デンミツAIの公開画面から読み解きます。品番・数量・単価を人へ戻す条件と、試行時に残す記録を設計例で示します。

古野光太朗古野光太朗·2026.10.27·読了 5分

主な対象読者業務責任者

原本と明細を並べて確かめる行を残す

FAXの「PF管 16」だけでは、単層か複層かを決めきれない場合があります。AIが品番の候補を出した後も、担当者が確かめる仕事が残ります。

次はTechWorkerの「デンミツAI」が公開している見積の下書き画面です。会社名と数字は見本です。この記事では、この画面を手がかりに業務を分ける設計例を示します。

デンミツAIの公開見本画面。左にFAX原本、右に明細と品番候補が並び、未確認項目と灰色の承認ボタンが表示された状態。
自社製品の公開見本画面出典:デンミツAI公式サイト。株式会社TechWorker作成。公開日は記載なし、2026年10月27日確認。自社保有の画像を掲載しています。会社名と数字は見本です。押すと拡大できます。

左のFAXと右の明細で、依頼の言い方と変換後の品番を見比べられます。「PF管 16」の行には候補が並び、選択を待っています。画面下には、得意先・宛先・単価などの未確認項目が残ります。

ここから読み取れるのは、下書きの作成後にも確認の工程を設けていることです。この見本画面から、読み取りの精度や時間の削減率は分かりません。

下書き・確認・承認・送信を業務図に分ける

AIが下書きを作り、担当者が原本と照合します。社内で承認を経て、担当者が取引先へ送る設計例です。

AIが下書きを作り、見積担当が原本と照合して迷う行を確認します。承認担当が内容を承認した後、見積担当が送信する設計例です。
TechWorker作成の設計例。承認担当は自部署の決まりに合わせます。製品の全機能や導入効果を示す図ではありません。

デンミツAIの公式サイトはAIの役目をFAXの字を読み、品目表から当てはまる行を探すところまでと説明しています。値段は得意先ごとの単価表を使い、表にない品は担当者へ回します。

この範囲を業務図にすると、最初に整えるものも見えてきます。読み取る原本、使ってよい品目表と単価表、迷う行を引き取る担当者です。社内の承認担当は自部署の決まりに合わせて割り当てます。

下書きが完成した時点で「送信済み」にしないことも、工程を分ける理由です。見積の内容を確定する仕事と、相手へ届ける仕事には、それぞれ完了の記録を残します。

品番・数量・単価の未確認を、人へ戻す条件にする

候補が出たことと、その候補を採用できることは別々に確かめます。次の表は自部署で試すための記入例です。実際の会社で運用された手順を示すものではありません。

確かめる項目人へ戻す条件の記入例引き取る人
品番複数の候補が残る、品目表に該当品がない品目を判断できる見積担当
数量と単位原本と明細の単位が異なり、換算の根拠がない原本と品目表を照合する担当
単価使う単価表が未確定、該当する値段がない社内の価格決定ルールに従う担当
宛先と送付送付先が不明、承認が済んでいない承認・送信を担う担当

単位の換算を追加で任せたい場合も、先に根拠を決めます。たとえば箱と個の換算には、対象品の入数が必要です。根拠がないまま過去の別の品から推測して埋める運用は避けます。

この表の停止条件は、TechWorkerが提案する設計例です。デンミツAIの全機能や、自動で検知できる項目の一覧ではありません。製品を選ぶ際は、実際の原本を使い、どの条件で止まるかを個別に確かめてください。

最初の試行では直した行と確認時間を残す

まず対象の営業所や担当を絞り、扱ってよい見積依頼を選びます。品目表・単価表の持ち出しや利用の許可も、試行前に確認します。

試行用の記録には原本の参照先、候補を採用した行、直した行、判断できず戻した行を残します。確認担当と送信まで進んだかも記録します。顧客名や単価が含まれる記録は社内で権限を決めて保管します。

確認にかかった時間は原本を開いてから下書きを確定するまで、など区間をそろえて測ります。待ち時間や取引先への確認が混ざった場合は、その時間を分けて書きます。AIの処理時間だけでは、担当者の仕事が減ったかを判断できません。

品目表にない品が多い、単価を決める人が不在、といった状態では、下書きの後で仕事が止まります。試行の結果を見て、品目表の整備や担当の割り当てから始める判断もできます。

出典と設計例の範囲

本記事は自社製品の公開画面を基にした設計例です。担当分担、停止条件、試行の記録項目はTechWorkerの提案です。実顧客の精度・削減時間・受注の効果を示す記事ではありません。

古野光太朗
古野光太朗 / 株式会社TechWorker 代表取締役 CEO兼CTO

株式会社TechWorker代表取締役。企業の生成AI導入と、業務への組み込みを支援しています。

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