コード生成AIの実践

Codex・Claude Codeの活用事例|自社の改修記録と企業の公開事例

TechWorkerがCodexで行った55記事の改修と、Claude Codeの企業公開事例を紹介します。任せた範囲、失敗の直し方、公開前後の検査から、自社で使う手順を考えます。

古野光太朗古野光太朗·2026.08.01·最終更新 2026.10.06·読了 12分

主な対象読者業務責任者

コード生成AIにどこまで任せ、どこを人が確認すればよいのでしょうか。TechWorkerのメディア改修では、記事の書き換えから公開後の照合までをCodexが担当しました。実際に行った作業と、検査で見つかった失敗から紹介します。

TechWorkerでは、Codexの改修結果を公開ページまで照合した

2026年10月6日、TechWorkerは自社メディア55記事の改稿にCodexを使いました。重複する36記事を統合し、3記事を公開対象から外す作業も含みます。

この事例の一次資料は、公開済みの変更提案(PR #79)と検証記録の公開用抜粋です。以下は公開時点の実施記録です。次節のClaude Codeの企業事例とは、使用ツールと対象作業を分けています。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。

工程実際に行ったこと完了を確かめた方法
依頼と範囲古野が、一次資料から読める構成への改稿と不要記事の整理を指示対象記事・統合先・削除対象を一覧にし、処理後の件数と照合
実装と修正CodexがHTML・画像参照・転送設定・検査スクリプトを変更変更差分、見出し、目次、出典、関連記事、構造化データを検査
公開後の確認Cloudflare Pagesへ公開し、公開URLを取得55記事の本文一致、統合元72URLの転送、削除対象6URLの404、公式画像29URLの応答を確認

統合と削除のURL数は、拡張子あり・なしの2通りを数えています。検査はCodexが実行しました。古野が55記事を一つずつ目視確認した、という記録ではありません。

タイトルが消えた12記事を、公開前の検査で直した

途中の文字列置換が、消す予定の表示を越えて記事のヘッダーに及びました。その結果、12記事でタイトルなどが欠けました。公開前の点検で見つけ、変更前の版からヘッダーだけを復旧しました。

続いて、公開前の検査スクリプトへ条件を追加しました。主見出しが一つあり、記事ヘッダーにタイトル・説明・著者情報がそろうことを確認します。本文の文章が残っているだけでは、合格になりません。

Claudeの点検で出た指摘を、作成ルーティンにも反映する

改稿にあたり、2026年9月30日に残したClaude Codeの点検記録も照合しました。そこでは「HTMLだけ直すと次回の生成で元に戻るので、生成側のテンプレートと題材選定から直すこと」と指摘していました。原本から抜き出した指摘と確認範囲を公開しています。

この指摘を踏まえ、記事の修正とあわせて、定期作成の手順に根拠の照合と公開前の検査を組み込みました。Claudeの記録は点検と改善提案、Codexの記録は今回の実装と検査です。両者の速度や品質を同じ条件で比較した結果ではありません。

任せる単位と、次へ進む条件をセットにする

この経験から、既存サイトの一括修正では、変更対象と残す要素を先に決めます。本文の書き換え、共通表示の変更、転送の設定を分け、工程ごとに検査します。検査に落ちた対象を直してから公開し、最後に公開ページと原稿を照合します。

コード生成AIへ渡す依頼には、対象ファイル、触ってはいけない範囲、実行する検査、公開後に見るURLを添えます。今回の作業記録の記入例とCSVひな型も使えます。

この一件から、時間短縮率やCodexとClaude Codeの優劣は算出できません。Webページの改稿で確かめた工程を、別のシステムへ移す場合は、そのシステムの試験に置き換えます。

公式の権限文書は、人が判断する境界を示す

原文“fine-grained permission rules, modes, and managed policies”

日本語訳細かな権限ルール、動作モード、管理ポリシー。

引用は、Claude Codeのアクセス先と操作を制御する手段を列挙した箇所です。事例を自社で試すときも、成果だけでなく、どこまでAIに許可し、どの操作を人が確認するかを決めます。

Claude Codeの事例は、何を残せば別チームでも再現できますか?

入力、変更差分、実行コマンド、テスト結果、人の判断を一つの記録に残します。

社内紹介では、機密コードを掲載せず、許可判断とテストの型を共有します。これなら事例が広告文ではなく、次の担当者が使える作業手順になります。

公開事例では、各社はClaude Codeをどう導入していますか?

全社導入の公表、使い方の配布物化、結果の数字の公開に分かれます。8件とも原典を確認済みです。

出典URLは、記事末尾の出典リンク集にまとめました。

GMOデザインワン|全エンジニア導入と、公表された目標値

GMOデザインワン株式会社は、2025年11月26日に全エンジニアへの『Claude Code』導入を発表しました(自社ニュースリリース)。作業時間を約50%短縮することを、目標に掲げています。

この「約50%」は目標値です。社内資料では、「同社が掲げた目標」として扱います。

ZOZO|予算基準を先に決めて配り、その後で標準化した

株式会社ZOZOは、2025年7月29日に全エンジニアへの開発AIエージェント導入を発表しました(自社ニュースリリース)。基準は、1人あたり月額200米ドルです。導入前の調査・検証と、利用ガイドラインの作成も行っています。

約10ヶ月後の2026年6月8日、ZOZO TECH BLOGで記事が公開されました(田中秀明氏)。題は、「AI駆動開発を2コマンドで組織標準に」です。設計からテストまでを、/dev-initと/dev-resumeの2コマンドで標準にする取り組みです。配布から標準化までに、約10ヶ月かかっています。

メルカリ|MDMでセキュリティ設定を組織配布する

株式会社メルカリのAI Security Teamは、2026年4月10日に公開された「Claude Code Meetup Japan #4」の登壇資料で、セキュリティ設定の組織配布戦略を発表しました(Hiroki Akamatsu氏)。題は、「メルカリのClaude Codeセキュリティ設定の組織配布戦略」です。Claude Codeにはファイル操作・Web検索・コマンド実行の機能があります。認証情報や重要ファイルへのアクセスを、リスクとして整理しています。配布する設定は、次のとおりです。

配布の手段は、MDM(端末管理)による一括展開です。エンジニアと非エンジニアの双方が、安全に使える環境を作る設計です。ルールを文書で周知せず、端末に配って既定値にします。設定項目の考え方は、Claude Codeの社内展開で解説しています。

サイボウズ|個人の「秘伝のプロンプト」をPluginに変える

サイボウズ株式会社の技術ブログ「Cybozu Inside Out」では、2026年2月20日に事例が公開されています(齋藤氏)。手順や機能をまとめて配布する拡張機能(Plugin)を、チーム専用のマーケットプレイスで共有しました。各自の指示や手順を、再利用できる手順書(Skill)として集める取り組みです。プラグインは5カテゴリで、チーム規約強制系も含みます。規約を守らせる仕事を、目視のレビューから配布物に移しています。

構築直後は1個だったプラグインが、2ヶ月後には十数個に増えました。Issue作成数は、2025年の月平均約50件でした。2026年1月以降は、月換算で約80件ペースになったと報告されています。増加要因を単一の施策に帰属させる分析は、原典にありません。参考値として扱います。

LayerX|イベント設計で属人化を崩す

LayerXのエンジニアブログでは、2025年9月22日にレポートが公開されています(さかい氏)。題は、「Claude Code Subagents祭」の開催レポートです。モバイルチームが、個人のサブエージェントをチームの共有知に変えた、短期集中イベントです。

進め方は5ステップです。各自のサブエージェントを共有し、適用先をブレストします。課題適性と頻度・影響をもとに、テーマを割り当てます。1週間の宿題形式で作り、デモ会で詰まりと次の一手を共有します。共通の詰まりどころに共通解ができたと書かれていますが、定量的な成果は原典にありません。

READYFOR|効果と副作用を同じ調査で公開した

READYFOR株式会社は、2025年10月23日にZennの公式アカウントで社内アンケートの結果を公開しています(resqnet氏)。対象は社内開発チーム12名です。2025年7〜9月の3ヶ月間について、22項目で聞いています。

使用頻度は、毎日が67%、週数回が25%、時々が8%です。生産性向上の実感は83%、1日1〜2時間の時間短縮は66%、満足度は3.8/5点でした。一方で、疲労感の増加が42%、ストレスの増加が25%、生成コード品質のばらつきが66.7%でした。チーム共有の場を求める声は、67%です。12名の主観回答であり、ログ等による実測ではありません。効果と副作用を同じ調査で並べた点が、参考になります。

ナレッジワーク|月448件のPR、ただし前提条件を必ず読む

株式会社ナレッジワークのZenn公式アカウントでは、2026年1月26日に活用事例が公開されています(sisisin氏)。データ基盤を担当する著者が、2025年12月に448件のコード変更提案(PR)をマージしたと報告しています。

同記事には「一人チーム・セルフマージOKの運用です」とあります。複数人のレビュー体制がある組織に、そのまま持ち込める数字ではありません。移植できるのは運用の工夫です。

見出しの数字は移植の対象にせず、この順序と統制の置き方を借ります。

LG CNS|20年ものの基幹システムを7ヶ月で移行した

Anthropic公式のカスタマーストーリーに、韓国のITサービス企業LG CNSの事例があります(2026年8月時点で公開)。20年稼働したシステムの刷新で、Claude Codeの複数の処理を管理し、順番に動かす仕組みを構築しました。

API移行は2,913件のうち2,888件(99.1%)、画面移行は1,340画面です。期間は7ヶ月(2025年11月〜2026年6月)で、コストは従来型のリビルドと比べて約50%削減されました。200名規模のBuild Centerで、標準の開発アプローチにしています。

Build Center責任者のHyosup Bae氏は、ROIについて次の趣旨を述べています。着手が難しかったプロジェクトを実行可能にしたことが、ROIだという内容です。

公開事例を踏まえて、自社ではどんな手順で始めますか?

対象業務とパイロット、予算、統制、標準化、職種の拡大の5つの順に、事例の工程設計を借ります。

事例の数字を4種類に分けて読む。本文の判断や記録項目を示します。
TechWorker作成:本文に基づく確認・判断の手順です。

事例を稟議へ引用する欄には、企業名、対象者、観測期間、目標か実績か、測定方法、自社と異なる条件を残します。READYFORの主観回答とナレッジワークの個人PR件数を、一つの効果率へまとめません。

  1. 対象業務を決め、パイロットを設計します。移行・変換・整備など、量が多く正解を定義できる作業から選びます。効果と副作用の両方を測る設問を、最初から入れます。
  2. 予算と契約を決めます。1人あたりの月額基準を、先に決めて配ります。詳しくはClaude Codeの導入コストをご覧ください。
  3. 統制を設計します。ルールの周知に頼らず、設定の配布と機械的な制約で効かせます。
  4. 使い方を標準にします。コツをそのまま共有せず、配布できる成果物に変換します。
  5. 職種を広げます。非エンジニアまで配る前提なら、統制を端末管理に載せます。詳しくは非エンジニアのClaude Code活用をご覧ください。

事例を参考にするとき、どんな失敗が起きやすいですか?

数字をそのまま期待値にする、最終形を真似る、配って終わりにする、の3つが目立ちます。

公開事例に共通するパターンは何ですか?

共通点は5つあります。配布と標準化の分離、統制の既定値化、共有の配布物化が中心です。

#共通パターン該当する公開事例
1「配る」と「使い方を標準にする」を別工程として進めているZOZO(配布2025年7月→標準化2026年6月)、READYFOR
2統制をルールの周知でなく、既定値・機械的な制約で効かせているメルカリ(MDMで設定配布)、ナレッジワーク(hook)
3共有の単位が「コツ」でなく、「インストールできる配布物」になっているサイボウズ(Plugin/Skill)、ZOZO、LayerX
4成果が出ている領域が、移行・変換・整備など反復量の多い作業に寄っているLG CNS、ナレッジワーク、ZOZO
5公開されている数字の性質がバラバラで、横並び比較できないGMOデザインワン(目標値)、ナレッジワーク(個人実績)、READYFOR(n=12の主観回答)

2025年前半のAI活用の共有は、「良いプロンプト集」でした。2026年の公開事例では、共有の単位が、Plugin・Skill・スラッシュコマンド・サブエージェントに変わっています。紹介した事例では、コツを配布物に変える取り組みが見られます。ただし、コマンド化すれば必ず使われるという比較検証ではありません。

次の一歩は何から始めればよいですか?

小規模なパイロットを、対象者・期間・評価指標を決めてから始めます。配布後の標準化も計画に入れます。

TechWorkerは、上場企業を含む45社・2,500名の生成AI導入・活用を支援し、この工程設計を伴走してきました。他社事例のどこが自社に移植でき、どこが前提条件ごと違うのかの見極めから、ご相談いただけます。

出典リンク集

本記事で参照した一次情報の一覧。すべて原典を開いて内容を確認したものだけを掲載している。

企業出典タイトル・媒体公開日
GMOデザインワンGMOデザインワン、全エンジニアに『Claude Code』導入 生成AIで開発効率50%向上を目指す(自社ニュースリリース)2025年11月26日
ZOZOZOZO、開発AIエージェントを全エンジニアに導入(自社ニュースリリース)2025年7月29日
ZOZOAI駆動開発を2コマンドで組織標準に ── Claude Code × Codexで設計からテストまで(ZOZO TECH BLOG)2026年6月8日
メルカリメルカリのClaude Codeセキュリティ設定の組織配布戦略(Claude Code Meetup Japan #4 登壇資料)2026年4月10日
サイボウズチーム専用の Claude Code Plugin マーケットプレイスを作った話(Cybozu Inside Out)2026年2月20日
LayerX属人化からチームの共有知へ 〜LayerXモバイルチームの「Claude Code Subagents祭」開催レポート〜(LayerX エンジニアブログ)2025年9月22日
READYFORClaude Code導入3ヶ月後の社内アンケートから分かったこと(Zenn/READYFOR公式)2025年10月23日
ナレッジワーク月間400件以上のプルリクエストを生産したClaude Code活用事例(Zenn/ナレッジワーク公式)2026年1月26日
LG CNSLG CNS modernizes 20-year-old enterprise systems with Claude(Anthropic公式カスタマーストーリー)2026年8月時点で公開

各出典の内容は公開時点のものです。リンク先が更新・削除されている場合があります。本節の他社事例は、上記の原典に書かれた範囲を引用しています。TechWorkerの実施記録は、冒頭の公開用検証記録に分けて示しています。

出典と確認範囲

確認日:2026年10月6日。製品仕様、契約、助成要件は変更されるため、実施時点の公式情報を確認してください。

  1. Configure permissions - Claude Code Docs
  2. Common workflows - Claude Code Docs
古野光太朗
古野光太朗 / 株式会社TechWorker 代表取締役 CEO兼CTO

上場企業を含む45社・2,500名の生成AI導入・活用を支援。「AIはエンジンだ。コンテキストは燃料だ。」を掲げ、企業の業務文脈をAIが扱える形に整える「コンテキスト整理」を専門とする。

他社事例を、自社が実行できる導入計画に翻訳します。

対象業務の選び方、パイロットの設計、統制の置き方、使い方の標準化まで——公開事例のどこが移植できてどこが前提条件ごと違うのかを整理したうえで、上場企業を含む45社・2,500名の支援知見をもとに伴走します。検討段階のご相談だけでも歓迎です。

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本記事は株式会社TechWorkerが独自に提供するものであり、Anthropic PBCとの提携・後援・承認を受けたものではありません。Claude、Claude CodeはAnthropic PBCの商標です。記載した他社事例は、各社が公開している情報にもとづくものであり、当社の支援事例ではありません。文中の社名・製品名は各社の商標または登録商標です。