情報管理

その承継資料、AIに渡して大丈夫ですか。

顧客名を消すだけでは、十分とは限りません。引き継ぎ資料を入力する前に確かめたい、情報の中身とサービスの条件。

株式会社TechWorker··最終更新 2026.10.03·読了 約4分

AIへ入力する前に、資料とサービスの両方を確認する

承継資料をAIに渡す前に、資料に含まれる情報と、使うサービスの契約・設定を確認します。どちらかが不明なら、会社の責任者に確認できるまで実資料の入力を止めます。

資料の中身、契約と設定、責任者の確認、許可範囲での試行の順に進める確認手順
入力を認める範囲が決まるまで、実資料は使いません。

承継資料を扱う経営者、後継者、引き継ぎ担当者に向けた記事です。読み終えると、入力前に確かめる項目と、判断に迷ったときの確認先を社内ルールに書けます。

一枚のメモに、いくつもの秘密が入っている

社内で見られる資料でも、外部のAIへ入力できるとは限りません。情報の持ち主と、共有を認められた範囲を確かめます。

承継のためのメモには、顧客との約束、取引条件、従業員への配慮、製造の工夫などが混ざります。社内で見られる資料でも、そのまま外部のAIサービスへ入力してよいとは限りません。

総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン 第1.2版」は、プライバシー保護やセキュリティ確保を共通の指針に位置づけています。本記事では、その考え方を踏まえ、承継資料を扱う際の確認手順を提案します。

名前だけでなく、組み合わせで分かる情報も見る

名前を消すだけで判断せず、ほかの情報と組み合わせて相手が分からないかを見ます。

顧客名を「A社」に変えても、所在地や売上、取引の時期を組み合わせると、相手を特定できる場合があります。固有名詞を置き換えたことだけを理由に、入力可能と判断しないようにします。

次の項目が含まれていないか、資料を一度読み直します。扱ってよいか不明な情報は、社内の責任者に確認できるまで入力を止めます。

  • 氏名、連絡先、人事評価など、個人に関わる情報。
  • 顧客ごとの価格、原価、契約条件、未公表の取引。
  • 製造条件、図面、独自のノウハウ、認証情報。
  • 第三者から預かり、利用目的や共有先が限られている情報。

会社で許可されたサービスと設定を確かめる

サービス名だけで決めず、実際に使う契約と設定で、保存・閲覧・削除・連携先を確かめます。

名前の置換、有料プラン、共有リンクで起きる確認漏れと、資料全体・契約・閲覧者を確かめる対処
この図は本文で説明した確認漏れを示したもので、実際の事故例ではありません。

同じサービス名でも、プランや契約、設定によってデータの扱いは変わります。「有料だから大丈夫」「学習に使われないから何でも入れられる」とは判断せず、利用する契約の条件を確かめます。

入力内容が何に使われるか、どれだけ保存されるか、誰が閲覧できるか、削除はどう行うかを確認します。外部サービスを連携する場合は、その連携先にも情報が渡るのかを見ます。契約や設定の説明を自分たちで判断できない場合は、管理担当者や提供元に確認します。

画面の共有リンクにも注意が必要です。AIへの入力を認めた資料であっても、回答を社外の人が見られるリンクにしてよいとは限りません。

入力の可否と、回答の共有範囲は別に確認します。資料を入力できても、AIの回答に顧客の条件が残るなら、社外へ共有できるとは限りません。利用するプラン、連携先、共有リンクのどこで情報が外へ出るかを追ってください。

迷ったときの確認先まで、一枚に書く

入力してよい範囲と、迷ったときに誰へ聞くかを、引き継ぐ側と受け取る側が同じ紙で確認できるようにします。

社内ルールには、使ってよいサービス、入力できる情報、回答を確認する人、判断に迷ったときの確認先を書きます。入力できない情報の例も、自社の資料に即して示すと判断しやすくなります。

後継者だけでなく、引き継ぐ側も同じルールを見られるようにします。はじめの試行では、機密を含まない架空の資料を使う方法もあります。会社の記録を扱う範囲は、責任者が確認した後で広げます。

次の一歩

次に資料を入力する前に、情報の中身と、利用する契約・設定を確認してください。確認が済んでいない資料は、架空の例に置き換えて試せます。

出典・参考資料

出典の確認日:2026年10月2日。本文の手順は本メディアの実践案であり、導入効果や個別の経営判断を保証するものではありません。

株式会社TechWorker / 事業承継AIラボ

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