基礎・費用・ツール選び

AIインタビューツール比較|セルフ型とマネージド型の選び方

AIインタビューのツールは、機能数だけでなく、自社に残る仕事まで含めて選びます。調査の設計・実施・分析を誰が担当するか、公開情報を基に比較します。

古野光太朗古野光太朗·2026.07.31·最終更新 2026.10.06·読了 10分

主な対象読者業務責任者

AIインタビューの導入後も、質問を作り、回答を確かめ、報告する仕事は残ります。ツールを自社で運用するか、調査ごと外部へ依頼するかで、必要な体制は変わります。まず、自社で調査を設計する画面を見て、比較する工程をそろえます。

公開済み実画面:CoeSignal調査設計画面(2026年10月6日確認)

調査目的と質問を設定するCoeSignalの調査設計画面
出典:株式会社TechWorker「CoeSignal」公開製品画面。(2026年10月6日確認) 実画面から分かるのは、ツールを開いても調査目的と質問設計は残ることです。比較表では機能数より、設計、実査確認、分析、報告を誰が担うかを先に見ます。

運用主体と担当工程で4類型に分ける

運用主体と対応する工程の2軸で、セルフ型・マネージド型・分析特化型・アンケート拡張型の4つに分けます。

社内に残す工程から型を選ぶ。設計と解釈の担当を確保できますか?→工程で選ぶ。
TechWorker作成:本文の手順を示す運用設計例です。導入効果の実測を示す図ではありません。

最初の問い合わせでは、保存・契約の条件と、誰が設計と解釈を行うかを確認します。料金表にない社内作業が残るなら、その時間も比較に入れます。「情報管理の要件があるから委託型」と一律に決めず、必要な機能と契約を候補ごとに照合してください。

機能表を眺めても、選定は前に進みません。サービスごとに「誰が何をやる前提か」が違うからです。自社で設計から分析まで回す前提のツールと、報告書まで委託するサービスを、機能数で比べても意味がありません。

分類の軸は2つで足ります。1つ目は運用の主体で、調査の設計・実査の進行・分析を、自社で行うのか、委託するのかです。2つ目はカバーする工程で、設計から報告までを一気通貫で担うのか、特定の工程に特化するのかです。

要点は2つです。エンタープライズの選定で問われるのは、情報管理・回答者の質・深掘り品質・納品物レベル・契約形態の5領域です。分かれ目は、自社の体制にあります。

AIインタビュー市場の4類型 — 運用主体 × カバー工程
カバーする工程:狭い ←→ 広い
セルフ型(フルスタック)
設計・実査・分析を自社がツール上で完結させる。速く安く回せる分、設計と解釈のスキルは自社側に必要。
この型の例:ユニーリサーチ AIインタビュー、Fast Insight
マネージド型(委託サービス)
調査設計から実査・分析・報告書までを委託する。担当者の実働は小さく、統制・契約要件をすり合わせやすい。
この型の例:CoeSignal(当社)、調査会社の委託型サービス
分析特化型
実査は人が行い、書き起こし・発言の切片化・分類など「聞いた後」の工程をAIで圧縮する。
この型の例:toitta
アンケート拡張型(ハイブリッド)
定量アンケートの回答に応じてAIが追加質問し、自由回答の解像度を上げる。定量調査の発注に近い形。
この型の例:Depth X byGMO
運用の主体:← 自社で運用(セルフ) | 委託して任せる(マネージド) →
図:AIインタビュー市場の4類型(※類型整理のイメージ図。各サービスの分類は表に記載した基準日の各社公開情報に基づく編集部の整理であり、優劣を示すものではありません)。

よくあるツール比較は、セルフ型だけを並べています。リサーチ専任のいない事業会社が設計から任せたいなら、比べる相手はセルフ型同士ではありません。セルフ型とマネージド型という、型の違いです。

選定の最初の問いは、「自社はどの型を選ぶべきか」です。型を間違えると、優れたツールを契約しても社内で回りません。

CoeSignalのマネージド型で含む工程

調査設計から報告書までを当社チームが担当し、担当者の実働約10時間を公開目安とする、マネージド型です。案件条件で必要な作業は変わります。

CoeSignal(株式会社TechWorkerが提供するAIインタビュープラットフォーム)は、マネージド型に分類されます。本記事は特徴の整理が目的のため、他社と並べた評価は行いません。公式サイトで公開している内容は、次のとおりです。

具体的な金額は、要問い合わせです。30分の無料相談から始められます。本記事のチェックリストを、当社に向けて使っていただいても構いません。

意思決定の問いから選定を始める

意思決定の問いを固め、体制で型を決め、5領域のチェックリストで確認し、公式情報で最終確認します。

手順1:意思決定の問いと対象者条件を先に固める

型を選ぶ前に、「この調査が終わったら何を決めるのか」という問いと、対象者条件を固めます。ここが曖昧だと、どの型・どのサービスを選んでも成果は出ません。

手順2:体制で型を決める

起点は、「調査設計と分析の主担当を社内に置けるか」という体制の問いです。

用途と体制で選ぶ判断表
Q1. 調査設計と分析の主担当を社内に置けるか?
(リサーチ経験者がいて、工数を確保できる)
NO ↓
マネージド型サービス
設計から実査・報告書までを委託する。統制要件は、候補サービスの機能と契約を個別に確認する。
YES ↓
Q2. 何を実現したいか?
定性インタビューを自社で高頻度に回したい →
セルフ型(フルスタック)
定量調査の自由回答の解像度を上げたい →
アンケート拡張型
人が実施したインタビューの分析を速くしたい →
分析特化型
図:用途と体制で選ぶ判断チャート(編集部作成のイメージ。個別の要件によって最適解は変わります)。

手順3:エンタープライズ向けの5領域15項目で確認する

機能表に載らないところで、選定は決まります。顧客や社員の「声」という機微なデータを扱い、法人の購買プロセスに乗せるためです。次の5領域15項目は、商談やトライアルの場で、そのまま質問として使えます。

法人向け選定チェックリスト — 5領域15項目
1. 情報管理
  • 回答データ(音声・テキスト)の保存場所・保持期間・第三者提供の有無を確認したか
  • シングルサインオン・権限管理・操作記録など、組織で使うための統制機能があるか
  • 回答者への説明と発言の利用許諾の取り方が、仕組みとして明示されているか
2. 回答者の質の担保
  • 対象者はどこから来るか(自社リストへの配布か、パネルからの募集か、その両方か)
  • 不良回答・不正回答を検出し除外する仕組みと、その基準が説明できるか
  • 対象者条件(スクリーニング)をどこまで細かく指定できるか
3. 深掘り品質の確認方法
  • 深掘りの方針(どの回答が出たらどこを掘るか)を事前に指定できるか、自動任せか
  • 本番前にパイロット(テスト実査)で聞き返しの質を自分で確かめられるか
  • 分析の結論から、元の発言全文・原データまで遡って検証できるか
4. 納品物のレベル
  • 成果物は「生データ」「自動要約」「報告書」のどのレベルか
  • 経営会議・稟議にそのまま出せる形か、自社での資料化が前提か
  • 報告会や質疑の場が含まれるか(結果の解釈を誰が支援するか)
5. 契約・支払い形態
  • 法人契約・請求書払いに対応しているか(クレジットカード決済のみではないか)
  • 秘密保持契約(NDA)やセキュリティチェックシートへの対応可否
  • 見積りの範囲が明確か(対象人数・成果物・追加費用が発生する条件)

図:エンタープライズ選定チェックリスト(編集部作成。商談・トライアルの場でそのまま質問として使えます)。

既存の比較記事で、ほぼ扱われていないのが、1(情報管理)と5(契約・支払い形態)です。請求書払い、NDA(秘密保持契約)、セキュリティ審査で止まるケースは、選定の最終盤で起こりがちです。この2領域は、最初の問い合わせの段階で確認します。

3(深掘り品質)は、自分の調査テーマで確かめるのが確実です。デモ画面だけでは分かりません。深掘りの質は、質問ガイドの設計に大きく左右されます。

手順4:公式情報で最終確認する

仕様・料金は変わります。選定の最終段階では、必ず各社公式サイトで最新情報を確認します。

ツール選定を崩す4つの順序違い

型を間違える、価格表だけで比べる、契約形態を後回しにする、設計の前提を決めずに導入する、という4つの順序違いで崩れます。

費用の考え方と相場観は、AIインタビューの費用相場で扱っています。

主要サービスの公開情報を同じ列で比べる

公式情報で整理すると、5サービスがセルフ型・アンケート拡張型・分析特化型・マネージド型に分かれます。

各行に基準日と確認日を示し、各社公式サイトと公式発表の公開情報を整理しました。特徴の整理が目的で、優劣の評価ではありません。

サービス提供会社類型公式に公開されている特徴料金の公開状況基準日/確認日
ユニーリサーチ AIインタビュー株式会社プロダクトフォースセルフ型AIが設問作成から実査・分析まで担い、最短1日で完結・工数最大97%削減と公表。デプスインタビュー調査専用パネルと連携2026年7月28日の公式発表で1名6,000円、30名18万円から。含む工程は要確認2026-07-28/2026-10-06
Fast Insightファストインサイト株式会社セルフ型(海外特化)56か国・31言語の現地生活者にAIモデレーターが現地語でインタビュー。動画で回答、最短即日で日本語レポート10分以下は1名5,000円、5名25,000円から2026-10-06/2026-10-06
Depth X byGMOGMOプレイアド株式会社アンケート拡張型アンケート回答に応じAIがリアルタイムで追加質問を生成(特許出願中)。約3,400万人のパネルと連携、最短2営業日公式PRで公開(パネル調査100名あたり10万円〜)2025-03-10/2026-10-06
toitta株式会社はてな分析特化型(2026年1月29日公開機能に基づく)人が行ったインタビューの書き起こし・発言の切片化・分類を自動化。蓄積データに問いを投げる「ask toitta」も提供個別見積り(公式サイトは問い合わせ制)2026-01-29/2026-10-06
CoeSignal(当社)株式会社TechWorkerマネージド型調査設計から報告書まで担当し、担当者の実働は約10時間。AI Agentが一人ひとりと個別に対話。報告書は結論・反対意見・引用元を一つに、発言原文へ遡れる個別見積り(要問い合わせ)2026-10-06/2026-10-06

表:主要サービスの整理(各行の基準日と2026年10月6日の再確認に基づく。掲載順に意味はありません)。

表に載せきれない公開情報を、出典とあわせて補います。

セルフ型とマネージド型は、自社に残る仕事の量と種類が違います。セルフ型は、調査設計・配信・進行管理・品質チェック・分析の解釈を自社で担います。必要な体制は、設計と分析を担えるリサーチ担当者です。マネージド型は、設計から報告書・報告会までを委託先が担います。自社に必要なのは、窓口となる担当者です。法人契約が前提で、情報管理・契約要件を個別にすり合わせます。

よくある質問

セルフ型とマネージド型はどちらが安上がりですか?

表示価格だけでは比べられません。セルフ型は1件あたりの料金が明快です。一方で、調査設計・深掘り品質の確認・分析・報告書作成の社内工数が、自社側に乗ります。マネージド型は個別見積りが中心ですが、これらの工数が価格に含まれます。ツール費用と社内人件費を合算した総コストで比べるのが、実務的です。

比較表の情報はいつ時点のものですか?

表の各行に示した基準日の公式情報に基づき、2026年10月6日に再確認しています。市場はサービスの追加や仕様変更が速いため、選定の最終段階では、各社の公式サイトで最新の仕様と料金を確認してください。本記事は特徴の整理が目的で、特定サービスの優劣を断定するものではありません。

セルフ型とマネージド型は併用できますか?

できます。日常の小さな検証はセルフ型で速く回します。経営判断に直結する調査や、統制要件の厳しい調査は、マネージド型に委託します。この使い分けは合理的です。人が実施したインタビュー資産の分析には、分析特化型を組み合わせる選択肢もあります。調査テーマごとに、社内で担える工程を仕分けることから始めてください。

ツール選定の前に何を決めておくべきですか?

3点です。1つ目は、「この調査が終わったら何を決めるのか」という意思決定の問いです。2つ目は、誰に聞くかの対象者条件です。3つ目は、設計・品質確認・分析を誰が担うかの体制です。この3点が決まっていれば、セルフ型かマネージド型かは、ほぼ自動的に決まります。ここが曖昧なまま機能比較から入ると、選定基準が定まりません。

選定表へ残す担当工程と再確認日

候補ごとに、設計、募集、実査確認、除外判断、分析、報告書、報告会の担当を埋めます。空欄になった工程は、契約後に社内へ戻る作業です。

次に、学習利用、保存先、削除、権限、監査ログ、再委託先を契約条件と照合します。公開ページに記載がない項目を「対応あり」と補いません。

最後に、価格と仕様の基準日と確認日を行ごとに残します。本記事は2026年10月6日に各出典を再確認し、変更を確認できたFast InsightとCoeSignalは現行公開値へ更新しました。発注時は各社の最新条件で表を更新します。

比較表の出典と確認時点

サービスの機能と価格は、提供会社の公式発表とページで確認します。表の時点と、現在の契約条件を分けて読みます。

今回追加した出典は、製品間の優劣を示す資料ではありません。Fast Insightを含む各サービスの最新契約条件は、発注時に公式情報で再確認してください。

古野光太朗
古野光太朗 / 株式会社TechWorker 代表取締役 CEO兼CTO

上場企業を含む45社・2,500名の生成AI導入・研修を支援。「AIはエンジンだ。コンテキストは燃料だ。」を掲げ、企業の業務文脈をAIが扱える形に整える「コンテキスト整理」を専門とする。AIインタビューによる定性調査の設計・実査・分析も支援領域。

聞き取りから、部署の業務図へ。

CompanyMap AIは、担当者への聞き取りを中心に、手元の資料と業務の記録もあわせて、AIが部署の仕事の流れを1枚の業務図にします。担当者が答えるのは1人15分ほどです。詰まっている所、担当者しか分からない所、AIに任せられる所まで見えるようにします。

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