AIインタビューの導入後も、質問を作り、回答を確かめ、報告する仕事は残ります。ツールを自社で運用するか、調査ごと外部へ依頼するかで、必要な体制は変わります。まず、自社で調査を設計する画面を見て、比較する工程をそろえます。
公開済み実画面:CoeSignal調査設計画面(2026年10月6日確認)

運用主体と担当工程で4類型に分ける
運用主体と対応する工程の2軸で、セルフ型・マネージド型・分析特化型・アンケート拡張型の4つに分けます。

最初の問い合わせでは、保存・契約の条件と、誰が設計と解釈を行うかを確認します。料金表にない社内作業が残るなら、その時間も比較に入れます。「情報管理の要件があるから委託型」と一律に決めず、必要な機能と契約を候補ごとに照合してください。
機能表を眺めても、選定は前に進みません。サービスごとに「誰が何をやる前提か」が違うからです。自社で設計から分析まで回す前提のツールと、報告書まで委託するサービスを、機能数で比べても意味がありません。
分類の軸は2つで足ります。1つ目は運用の主体で、調査の設計・実査の進行・分析を、自社で行うのか、委託するのかです。2つ目はカバーする工程で、設計から報告までを一気通貫で担うのか、特定の工程に特化するのかです。
要点は2つです。エンタープライズの選定で問われるのは、情報管理・回答者の質・深掘り品質・納品物レベル・契約形態の5領域です。分かれ目は、自社の体制にあります。
よくあるツール比較は、セルフ型だけを並べています。リサーチ専任のいない事業会社が設計から任せたいなら、比べる相手はセルフ型同士ではありません。セルフ型とマネージド型という、型の違いです。
選定の最初の問いは、「自社はどの型を選ぶべきか」です。型を間違えると、優れたツールを契約しても社内で回りません。
CoeSignalのマネージド型で含む工程
調査設計から報告書までを当社チームが担当し、担当者の実働約10時間を公開目安とする、マネージド型です。案件条件で必要な作業は変わります。
CoeSignal(株式会社TechWorkerが提供するAIインタビュープラットフォーム)は、マネージド型に分類されます。本記事は特徴の整理が目的のため、他社と並べた評価は行いません。公式サイトで公開している内容は、次のとおりです。
- 調査設計から報告書までを当社チームが担当し、担当者の実働は約10時間です。公開例の内訳は、キックオフ2.5時間、対象者リスト2.5時間、社内周知2時間、設問・中間結果確認1時間、問い合わせ対応と報告会2時間です。
- 実査は、AI Agentが一人ひとりと個別に対話します。
- 報告書は、結論・反対意見・引用元を一つにまとめます。共有画面から、発言の原文へ遡れます。
- シングルサインオン・権限管理・操作記録といった、組織利用の統制に対応しています。
- 料金は、対象範囲・人数・成果物に応じた個別見積りです。
具体的な金額は、要問い合わせです。30分の無料相談から始められます。本記事のチェックリストを、当社に向けて使っていただいても構いません。
意思決定の問いから選定を始める
意思決定の問いを固め、体制で型を決め、5領域のチェックリストで確認し、公式情報で最終確認します。
手順1:意思決定の問いと対象者条件を先に固める
型を選ぶ前に、「この調査が終わったら何を決めるのか」という問いと、対象者条件を固めます。ここが曖昧だと、どの型・どのサービスを選んでも成果は出ません。
手順2:体制で型を決める
起点は、「調査設計と分析の主担当を社内に置けるか」という体制の問いです。
(リサーチ経験者がいて、工数を確保できる)
手順3:エンタープライズ向けの5領域15項目で確認する
機能表に載らないところで、選定は決まります。顧客や社員の「声」という機微なデータを扱い、法人の購買プロセスに乗せるためです。次の5領域15項目は、商談やトライアルの場で、そのまま質問として使えます。
図:エンタープライズ選定チェックリスト(編集部作成。商談・トライアルの場でそのまま質問として使えます)。
既存の比較記事で、ほぼ扱われていないのが、1(情報管理)と5(契約・支払い形態)です。請求書払い、NDA(秘密保持契約)、セキュリティ審査で止まるケースは、選定の最終盤で起こりがちです。この2領域は、最初の問い合わせの段階で確認します。
3(深掘り品質)は、自分の調査テーマで確かめるのが確実です。デモ画面だけでは分かりません。深掘りの質は、質問ガイドの設計に大きく左右されます。
手順4:公式情報で最終確認する
仕様・料金は変わります。選定の最終段階では、必ず各社公式サイトで最新情報を確認します。
ツール選定を崩す4つの順序違い
型を間違える、価格表だけで比べる、契約形態を後回しにする、設計の前提を決めずに導入する、という4つの順序違いで崩れます。
- 体制に合わない型を選ぶ。リサーチ専任を置ける事業会社は限られます。企画・マーケ・CXの担当者が兼務でセルフ型を契約すると、設計の質に自信が持てないまま実査が走ります。分析が積み残り、データはあっても意思決定に使われません。解約理由の深掘りやVoC(顧客の声)調査のように、結果が経営判断に直結するテーマほど、不一致は高くつきます。
- 価格表だけで比べる。セルフ型の公開料金とマネージド型の見積りを並べて、セルフ型が安いと結論づけるのは早計です。セルフ型では、設計・品質チェック・分析・報告資料化の社内人件費が、価格の外側に乗ります。比べるべきは、調査1本を意思決定に使える状態にするまでの総コストです。
- 契約形態の確認が最終盤になる。セルフ型ツールは、個人・小規模チームのオンライン登録を想定した設計が中心です。機能が要件を満たしても、契約形態で導入できなければ意味がありません。
- 設計の前提を決めずに導入する。経験者がいて、調査を月に何本も回す組織なら、セルフ型の従量料金は強力です。そうでない組織が同じ型を選ぶと、見えない工数が膨らみます。
費用の考え方と相場観は、AIインタビューの費用相場で扱っています。
主要サービスの公開情報を同じ列で比べる
公式情報で整理すると、5サービスがセルフ型・アンケート拡張型・分析特化型・マネージド型に分かれます。
各行に基準日と確認日を示し、各社公式サイトと公式発表の公開情報を整理しました。特徴の整理が目的で、優劣の評価ではありません。
| サービス | 提供会社 | 類型 | 公式に公開されている特徴 | 料金の公開状況 | 基準日/確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| ユニーリサーチ AIインタビュー | 株式会社プロダクトフォース | セルフ型 | AIが設問作成から実査・分析まで担い、最短1日で完結・工数最大97%削減と公表。デプスインタビュー調査専用パネルと連携 | 2026年7月28日の公式発表で1名6,000円、30名18万円から。含む工程は要確認 | 2026-07-28/2026-10-06 |
| Fast Insight | ファストインサイト株式会社 | セルフ型(海外特化) | 56か国・31言語の現地生活者にAIモデレーターが現地語でインタビュー。動画で回答、最短即日で日本語レポート | 10分以下は1名5,000円、5名25,000円から | 2026-10-06/2026-10-06 |
| Depth X byGMO | GMOプレイアド株式会社 | アンケート拡張型 | アンケート回答に応じAIがリアルタイムで追加質問を生成(特許出願中)。約3,400万人のパネルと連携、最短2営業日 | 公式PRで公開(パネル調査100名あたり10万円〜) | 2025-03-10/2026-10-06 |
| toitta | 株式会社はてな | 分析特化型(2026年1月29日公開機能に基づく) | 人が行ったインタビューの書き起こし・発言の切片化・分類を自動化。蓄積データに問いを投げる「ask toitta」も提供 | 個別見積り(公式サイトは問い合わせ制) | 2026-01-29/2026-10-06 |
| CoeSignal(当社) | 株式会社TechWorker | マネージド型 | 調査設計から報告書まで担当し、担当者の実働は約10時間。AI Agentが一人ひとりと個別に対話。報告書は結論・反対意見・引用元を一つに、発言原文へ遡れる | 個別見積り(要問い合わせ) | 2026-10-06/2026-10-06 |
表:主要サービスの整理(各行の基準日と2026年10月6日の再確認に基づく。掲載順に意味はありません)。
表に載せきれない公開情報を、出典とあわせて補います。
- ユニーリサーチ:提供元のプレスリリース(2026年2月25日)によれば、従来約6週間かかっていた「募集〜実査〜分析」を最短1日で完了します。累計8万件以上の調査実績を持つパネルと連携します。同リリース時点では、正式リリースに向けた事前登録の受付段階です。
- Fast Insight:回答者はスマホから動画で答えます。納品物は、日本語の自動レポート・発言録・動画クリップなどです。料金は、10分以下で1名5,000円、5名25,000円からのプリペイド制です(2026年10月6日確認)。
- Depth X byGMO:GMOインターネットグループのプレスリリース(2025年3月)によれば、定量と定性のハイブリッド型です。GMOリサーチ&AIの「JAPAN Cloud Panel」と連携します。インタビューの置き換えというより、定量調査の自由回答を深くするアプローチです。
- toitta:分析に特化したSaaSです。複数インタビューの横断分析に対応します。2026年1月に、新機能「ask toitta」を正式リリースしました(同社プレスリリース)。他の型と組み合わせて使えます。
セルフ型とマネージド型は、自社に残る仕事の量と種類が違います。セルフ型は、調査設計・配信・進行管理・品質チェック・分析の解釈を自社で担います。必要な体制は、設計と分析を担えるリサーチ担当者です。マネージド型は、設計から報告書・報告会までを委託先が担います。自社に必要なのは、窓口となる担当者です。法人契約が前提で、情報管理・契約要件を個別にすり合わせます。
よくある質問
表示価格だけでは比べられません。セルフ型は1件あたりの料金が明快です。一方で、調査設計・深掘り品質の確認・分析・報告書作成の社内工数が、自社側に乗ります。マネージド型は個別見積りが中心ですが、これらの工数が価格に含まれます。ツール費用と社内人件費を合算した総コストで比べるのが、実務的です。
表の各行に示した基準日の公式情報に基づき、2026年10月6日に再確認しています。市場はサービスの追加や仕様変更が速いため、選定の最終段階では、各社の公式サイトで最新の仕様と料金を確認してください。本記事は特徴の整理が目的で、特定サービスの優劣を断定するものではありません。
できます。日常の小さな検証はセルフ型で速く回します。経営判断に直結する調査や、統制要件の厳しい調査は、マネージド型に委託します。この使い分けは合理的です。人が実施したインタビュー資産の分析には、分析特化型を組み合わせる選択肢もあります。調査テーマごとに、社内で担える工程を仕分けることから始めてください。
3点です。1つ目は、「この調査が終わったら何を決めるのか」という意思決定の問いです。2つ目は、誰に聞くかの対象者条件です。3つ目は、設計・品質確認・分析を誰が担うかの体制です。この3点が決まっていれば、セルフ型かマネージド型かは、ほぼ自動的に決まります。ここが曖昧なまま機能比較から入ると、選定基準が定まりません。
選定表へ残す担当工程と再確認日
候補ごとに、設計、募集、実査確認、除外判断、分析、報告書、報告会の担当を埋めます。空欄になった工程は、契約後に社内へ戻る作業です。
次に、学習利用、保存先、削除、権限、監査ログ、再委託先を契約条件と照合します。公開ページに記載がない項目を「対応あり」と補いません。
最後に、価格と仕様の基準日と確認日を行ごとに残します。本記事は2026年10月6日に各出典を再確認し、変更を確認できたFast InsightとCoeSignalは現行公開値へ更新しました。発注時は各社の最新条件で表を更新します。
比較表の出典と確認時点
サービスの機能と価格は、提供会社の公式発表とページで確認します。表の時点と、現在の契約条件を分けて読みます。
- ユニーリサーチ AIインタビュー:公式ページ
- Fast Insight:公式サイト(2026年10月6日確認)
- Fast Insight:公式サイト(2026年10月6日確認)
- GMO:Depth X byGMO提供開始(2025年3月10日)
- toitta:ask toitta正式提供(2026年1月29日)
今回追加した出典は、製品間の優劣を示す資料ではありません。Fast Insightを含む各サービスの最新契約条件は、発注時に公式情報で再確認してください。

