秘密保持契約を自社の基準で読むエージェント|Claudeでの作り方 — エージェント保管庫
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秘密保持契約を自社の基準で読むエージェント

相手方から届いた秘密保持契約を、当社の審査基準とひな形に照らして読み、条項ごとの指摘と修正案の下書きを作ります。法務担当者は下書きを確かめて判断するところから始められます。

公開 2026.10.16公式の情報で確認 2026.10.16監修 古野光太朗(TechWorker 代表)

01できること

これまで
  • 審査の基準が共有フォルダや先輩の頭の中にあり、担当者によって指摘の強さが変わります。
  • 毎回、自社のひな形と相手方の契約を並べて、条項を1つずつ見比べています。
  • 相手方へのコメントの書き方が人ごとに違い、上長が直す手間がかかります。
このエージェントを使うと
  • どの担当者が使っても、同じ審査基準と同じ重要度の決め方で指摘が並びます。
  • 条項番号、原文、問題点、修正案がそろった下書きから確認を始められます。
  • 上長に回すべき条件にあてはまる契約が、一番上でわかります。
  • 新しく入った担当者も、基準書と下書きを見比べながら審査の考え方を覚えられます。

02仕組み

エージェントが何を受け取り、何を見て、何を返すか。最後に人が確かめるところまでを1枚にしています。

受け取るもの

相手方の秘密保持契約の本文(Word か PDF)と、依頼部署、取引の目的、開示する情報の種類

エージェント

Claude プロジェクト

指示文

役割と進め方、答え方を決める(04 指示文)

渡す資料
  • NDA審査基準(条項ごとの考え方、重要度の決め方、受け入れられない条項、上長に回す条件)
  • 当社の秘密保持契約ひな形
  • 指摘の書き方の見本(過去の審査コメント)
つなぐ道具
  • なし(つなぐ道具は使いません)
返すもの

上長確認の要否、重要度の高い指摘の数、条項ごとの指摘と修正案の表、相手方へのコメント文案

人が確かめる

指摘を採るかどうか、相手方に何を求めるか、契約を受け入れてよいかは法務担当者が決めます。

03作り方

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    審査基準を1つの文書にまとめる

    条項ごとの当社の考え方、重要度(高、中、低)の決め方、受け入れられない条項、上長に回す条件を1つの文書に書き出します。決まりが担当者の経験にしかない場合は、先にここを言葉にします。ひな形と、過去の審査コメントの見本も用意します。プロジェクトは無料プランを含むすべてのプランで使えます。法務部の中でプロジェクトを共有するには Team プランか Enterprise プランが必要です。

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    プロジェクトを作る

    claude.ai/projects を開き、右上の「+ 新規プロジェクト」をクリックします。名前と説明を付けます(Claude はこの2つを読みません)。Team プランか Enterprise プランでは、表示設定で「プライベートに保つ」を選びます。

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    プロジェクトナレッジに資料を入れる

    プロジェクトの画面右側にあるナレッジの「+」ボタンから、審査基準、ひな形、コメントの見本をアップロードします。ここに入れた資料はこのプロジェクトのすべてのチャットで使われます。相手方の契約書はここに入れず、審査のたびにチャットへ添付します。

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    指示を貼る

    「プロジェクト指示を設定」をクリックし、下の指示文を貼って「指示を保存」をクリックします。

  5. 5

    審査済みの契約で試す

    すでに審査を終えた秘密保持契約を3件から5件、1件ずつ新しいチャットで読ませます。担当者が実際に付けた指摘と比べ、重要度のずれや見落としがあれば、審査基準か指示を直します。

  6. 6

    法務部の中で共有する

    プロジェクト名の右にある「プロジェクトを共有」をクリックし、法務部のメンバーを名前かメールアドレスで追加します。審査基準を直してよい人だけを「編集可能」にし、ほかの人は「表示可能」にします。最後に「共有」をクリックします。

04指示文(そのまま貼れます)

プロジェクトの「プロジェクト指示を設定」欄に貼ります。[ ]のところは自社の言葉に置き換えてください。

指示文 — Claude プロジェクト
あなたは当社法務部の契約審査を手伝う担当です。相手方から届いた秘密保持契約を当社の審査基準で読み、法務担当者が確かめるための下書きを作ります。

【受け取るもの】
相手方の秘密保持契約の本文(チャットに添付されます)と、依頼部署、取引の目的、開示する情報の種類(わかる範囲)を受け取ります。

【使う資料】
プロジェクトナレッジの「NDA審査基準」「当社の秘密保持契約ひな形」「指摘の書き方の見本」を使います。

【進め方】
1. 当事者、片方だけが開示するのか双方が開示するのか、目的、有効期間、準拠法と管轄を最初に書き出します。
2. 条項を順番に読み、審査基準の項目(秘密情報の定義、除外される情報、目的外の使用の禁止、開示してよい相手、有効期間と終了後に残る義務、返還と破棄、損害賠償、差止め、準拠法と管轄など)と照らし合わせます。
3. 基準と違う条項ごとに、審査基準の定義に沿って重要度(高、中、低)を付けます。
4. 上長に回す条件にあてはまるかを確かめます。

【答え方】
最初に「上長への確認が要るか」と「重要度が高い指摘の数」を書きます。
次に表で、条項番号、原文の引用、問題点、重要度、修正案の文言、根拠を並べます。
修正案は当社ひな形の言い回しに合わせます。
最後に、相手方へのコメントの文案を、指摘の書き方の見本の調子で書きます。

【根拠の示し方】
指摘には、契約の条項番号と原文の一部、審査基準の項目名を添えます。
審査基準に書いていない論点は「基準外の気づき」として分け、重要度は付けません。

【わからないとき】
条項の読み方が二通りある場合は、両方の読み方を書き、担当者に判断を求めます。
添付が読めない、ページが欠けているときは、その場所を伝えて審査を止めます。

【させないこと】
契約を受け入れてよいかの最終判断は書きません。決めるのは法務担当者です。
審査基準とひな形にない当社の方針を作りません。
ほかの案件の相手方の名前や契約の中身を、答えに使いません。
確かめていない法令の条文番号や判例を書きません。

05管理者が先に決めること

使い始める前に、Claude の管理者が決めておく設定です。ここを決めてから配ると、情報の扱いで止まりにくくなります。

組織設定 > データとプライバシー の「公開プロジェクト」を使うかどうかを決めます。

公開にしたプロジェクトは、組織の全員がナレッジと指示を見られます。審査基準を社内に広く見せない場合は、オフにするか、法務のプロジェクトを「プライベートに保つ」で作る決まりにします。

プロジェクトの「編集可能」を渡す人を、審査基準の持ち主に限ります。

「編集可能」のメンバーは指示とナレッジを書き換えられます。基準を直せる人を決めておくと、いつの間にか審査の考え方が変わることを防げます。

メモリを組織で有効にするか、有効にする場合はこのプロジェクトで「アカウントメモリを使用」をオフにするかを決めます。

Team プランと Enterprise プランでは、メモリはオーナーが有効にしたときに使えます。オフにすると、プロジェクトの外のチャットの記憶と混ざりません。

プロジェクトナレッジに入れてよい資料の範囲を決めます。

ナレッジは「表示可能」のメンバーも読めます。相手方の契約書や取引の条件は入れず、当社の基準とひな形だけにする決まりにします。

Enterprise プランでは、組織設定 > ロール の「機能」タブで、ロールごとに「プロジェクトを共有」を許すかを決めます。

法務のプロジェクトを共有できる人を、ロールの単位で絞れます。

06人が確かめるところ

  • 指摘を相手方に出すかどうかと、修正案の最終の文言は法務担当者が決めます。
  • 「基準外の気づき」は担当者が読み、必要なら審査基準に足すかを上長と決めます。
  • 取引の背景(相手方との力関係、急ぎの度合い)を踏まえた譲れる点の判断はAIにさせません。

07うまくいかないとき

同じような条項でも、重要度の付け方が契約ごとにばらつきます。

審査基準に、重要度ごとの定義と例文を足します。審査済みの契約で試し、ずれた条項の例を基準に書き加えます。

当社ひな形と言い回しが違うだけの条項まで、すべて指摘されます。

審査基準に「受け入れてよい言い換え」の例を足し、意味が同じなら指摘しないと指示に書きます。

前に審査した相手方の情報が混ざらないか心配です。

1件ごとに新しいチャットで始めます。チャット同士で共有されるのはナレッジに入れた情報だけなので、相手方の契約書はナレッジに入れません。

「プロジェクト共有は管理者によってオフにされています」と表示され、メンバーを追加できません。

組織のオーナーに、組織設定 > データとプライバシー の「プロジェクトを共有」をオンにしてもらいます。

0830日後に測ること

使われているか、どれだけ時間が浮いたか、出来は十分か。使い始めて30日後に、次の点を確かめます。

使われているか:プロジェクトを通した秘密保持契約の割合

法務の受付台帳に「プロジェクトで下書きを作ったか」の列を足し、30日間の受付件数のうち、下書きを作った件数の割合を数えます。

時間:受付から依頼部署への一次回答までの日数

受付台帳の受付日と一次回答日から日数を出し、使い始める前の30日間の平均と比べます。

出来:担当者が足した指摘と、消した指摘の数

週に3件を選び、担当者が下書きに足した指摘(見落とし)と、消した指摘(不要な指摘)を数えます。多かった論点は審査基準に書き足します。

09広げ方

  • 業務委託契約や売買基本契約など、件数の多いほかの契約も契約の種類ごとに審査基準とプロジェクトを分けて作れます。
  • 新しく入った法務担当者向けに、審査基準の読み方を解説した研修資料を同じプロジェクトで作れます。
  • 当社から先に出す秘密保持契約について、依頼部署の説明からひな形に沿った案を作る使い方にも広げられます。

公式の情報

機能と画面の名前は、2026.10.16 に上の公式の情報で確かめました。業務での使い方は TechWorker の例です。

このエージェントを、御社の業務で作ります。

TechWorker の研修では、受講者の実際の業務を1つ選び、研修の中でこの形のエージェントを作ります。教材は毎週更新し、受講から30日後に使われ方を測ってご報告します(Claude Code 編)。

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