相談・受付の対応

法律事務所の顧客向け生成AIチャット|受付・一般情報と法律相談を分ける

法律事務所の顧客向けAIチャットは、受付・一般情報・個別判断の3つに分け、個別判断は弁護士へ引き継ぎます。停止条件、有人引継ぎ、個人情報、監査ログを日米英の一次資料から整理します。

古野光太朗古野光太朗·2026.09.30·最終更新 2026.10.06

主な対象読者業務責任者

法務省資料が示す相談前チャットの境界

相談内容の概要整理にチャットボットを使うことと、個別の法律判断を自動で返すことは分けて考えます。

法務省ODR活性化検討会取りまとめ22ページ。相談前に相談概要を把握・整理するチャットボットの利用と、相談機関が最終責任を負う支援について記載されている。
一次資料 法務省「ODR活性化検討会 取りまとめ」PDF 23ページ・冊子22ページ(2020年3月、2026年10月6日確認)。冒頭のb「相談フェーズについて」を読みます。相談前の概要整理は直ちに禁止されないとする一方、相談担当者・相談機関が最終責任を負う形を示しています。該当ページを無改変で引用しています。 原典の資料を読む。画像をクリックすると拡大できます。

この記述は、特定の顧客向けAIチャットを一律に適法と認めるものではありません。記事では、資料が認める「相談前の概要整理」を受付に置き、権利義務や見通しを答える個別判断は弁護士へ戻します。法務省資料の考え方と、以下のTechWorkerによる運用設計を混同しないでください。

回答できる範囲を3つに分ける

受付情報、承認済みの一般情報、個別判断に分け、個別判断では回答を止めます。

区分例扱い
受付情報連絡先、相手方、相談分野、期限候補必要な項目だけ受け取る。受付は受任成立ではないと明示する
一般情報営業時間、費用体系、持ち物、公開ページ承認済みの情報源からだけ返す
個別判断勝てるか、署名してよいか、時効はいつか回答を止め、弁護士へ引き継ぐ

「契約」「時効」のような単語だけで止めると、一般案内まで遮断します。反対に、語尾が質問でなくても「解除通知を出したので支払わなくてよい」のように個別判断を求める入力があります。単語ではなく、個別事実を法規範へ当てはめる内容かで分けます。

止めた質問を原文ごと引き継ぐ

要約だけを渡さず、原文、前後の会話、添付の有無、期限候補、停止理由を担当弁護士へ渡します。

相談者の質問をAI受付が個別判断として止め、原文と期限候補を弁護士へ渡し、弁護士が確認して回答する流れ。
TechWorker作成の運用設計例です。導入効果や適法性の実測を示す図ではありません。

相談者には、AIを使うこと、利用目的、外部事業者への送信の有無、保存期間、人が閲覧する範囲、削除と問い合わせの窓口を入力前に示します。受付に不要な本人確認書類番号や健康情報は入力させません。

ログには、相談者の入力、AIの出力、参照した公開情報、停止理由、有人引継ぎ時刻、確認者を残します。プロンプト全文を無期限に保存するとログ自体が秘密情報の保管庫になるため、保持期間と閲覧権限も決めます。

公開前に境界を試す

正答率だけでなく、止めるべき質問へ答えた割合と、有人引継ぎが完了した割合を測ります。

誤りが出たら文面だけを直さず、判定ルール、参照データ、モデル設定のどこで通過したかを追います。修正後は同じ入力を再実行します。

よくある質問

顧客向けAIチャットは、どこまで回答させてよいですか?

営業時間、費用体系、相談時の持ち物など、事務所が承認した一般情報までに限定します。個別の事実を法令へ当てはめる質問は止め、弁護士へ引き継ぎます。

「契約」という語があれば止めればよいですか?

単語だけでは判定できません。持ち物を聞く一般案内と、解除通知の効力を尋ねる個別判断を分け、迷う場合は有人側へ送ります。

公開前に何を試しますか?

存在しない判例、期限が曖昧な相談、第三者の個人情報、指示を無視させる文章を含む質問で、回答停止と有人引継ぎが働くかを確かめます。

根拠資料

資料確認日:2026年10月6日。法務省資料は個別サービスの適法性を保証するものではありません。本文の区分・引継ぎ・試験はTechWorkerの設計例です。

  1. 法務省「ODR活性化検討会 取りまとめ」(2020年3月)
  2. 法務省「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」
  3. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」
古野光太朗
古野光太朗 / 株式会社TechWorker 代表取締役 CEO兼CTO

上場企業を含む45社・2,500名の生成AI導入・研修支援で得た実務知をもとに、導入・運用・顧客理解を扱っています。この実績はTechWorkerの生成AI支援実績であり、個別製品の導入実績を示すものではありません。

株式会社TechWorkerの導入支援

顧客向けAIチャットの境界を設計する

受付項目、回答可能範囲、有人引継ぎ、個人情報、記録を業務フローへ落とします。

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