攻撃対策と検証

RAGのファイル取込を隔離する|マルウェア検査前に解析器へ渡さない設計

受け取ったファイルは、検査が終わるまで解析器やOCRへ渡しません。隔離、形式確認、マルウェア検査、制限付き解析、索引登録を状態で分けます。

古野光太朗古野光太朗·2026.09.30·最終更新 2026.10.06

主な対象読者情シス・AI導入担当

社内文書をAIの検索対象にする仕組みでは、アップロード直後にPDFや画像の解析が始まることがあります。ファイルに問題があると、検索に使う前の解析処理が攻撃されるおそれがあります。OWASPの指針を基に、受領から検索登録までの検査順序を確認します。

一次資料:OWASPのアップロードファイルの保管指針(確認:2026年10月6日)

Store the files on a different server.

出典:OWASP File Upload Cheat Sheet。この一文は、アップロードされたファイルを別のサーバーに置く対策です。保存場所の分離に加え、形式や容量、マルウェアの検査を組み合わせます。

RAGのファイル受領、隔離、検査、解析、索引登録を分ける設計例
TechWorker作成:検査不能を安全と扱わず、解析器へ渡す前に止める状態遷移を図示しています。 製品の公式画面や導入効果の実測ではありません。画像を押すと拡大できます。

OWASPはアップロードを複数の検査で囲む

OWASPは、拡張子、Content-Type、ファイル署名、ファイル名、容量、保存領域、マルウェア検査を重ねます。どれか1つを通ったファイルを安全とみなしません。

RAGでは、アップロード直後に文字抽出を始める構成が危険です。解析器そのものが攻撃面になるためです。

受領から索引登録までを5状態に分ける

ファイルをreceived(受領済み)、scanning(検査中)、clean(脅威未検知)、parsing(解析中)、indexed(索引登録済み)で管理します。検査不能、時間切れ、暗号化ファイルはcleanへ進めません。

受領領域はウェブ公開領域外に置き、実行権限を与えません。検査結果はファイルのハッシュ値と検査エンジンの版に結び、同じファイルの再アップロードでも判断を追えるようにします。

マルウェアなしでも解析器のリスクは残る

マルウェア検査が陰性でも、巨大PDF、深いZIP、壊れたOfficeファイルでCPUやメモリを使い切ることがあります。展開容量、ページ数、処理時間、入れ子回数に上限を置きます。

OCRと解析器は通信なしの隔離処理で動かし、出力を文字列と付随情報へ限定します。マクロや埋込み物を実行しません。

後日検知したファイルを索引から取り除けるようにする

マルウェア定義更新で過去ファイルが検知される場合があります。元ファイルIDから分割片、ベクトル、検索キャッシュを逆引きし、索引から削除できる関係を持たせます。

削除後は、同じファイルのハッシュ値が再投入されないことと、回答キャッシュに内容が残っていないことを確認します。

出典と確認範囲

古野光太朗
古野光太朗 / 株式会社TechWorker 代表取締役 CEO兼CTO

上場企業を含む45社・2,500名の生成AI導入・研修支援で得た実務知をもとに、導入・運用・顧客理解を扱っています。この実績はTechWorkerの生成AI支援実績であり、個別製品の導入実績を示すものではありません。

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RAGのファイル取込境界を点検する

隔離、検査状態、例外経路、解析器の制限、再検査と索引削除を確認します。

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